NPO未来化プロジェクト 理事 川端務夢

仕事柄「まちづくり」活動を進める団体の皆さんから様々なご質問を頂きます。

最近多い質問は「30代40代の子育て世代のおかあさん達に活動参加をしてもらいたいがどうしたら良いか?」
「役員募集をしたが一人も集まらなかった。どうしたら参加してもらえるか?」というものです。

その募集の詳細をお聞きすると

〇募集は、町内会(自治会)の回覧で行った。

〇まちづくりの役員会(平日夜に行う)への参加を明記した。

〇回覧の募集内容は「まちづくり役員募集」と役員の仕事だけを記載した。

というお応えがほとんどです。

最近の30代・40代の女性の情報収集は、スマホなどネットからが多く、紙媒体への関心は薄れていますし、子育て世代のおかあさんは平日の夜の会合への出席は難しいわけです。これでは、子育て世代のおかあさんに「まちづくり」活動に参加してもらう事が難しいのは明白です。

 

浜松には「浜松まつり」という歴史のある祭りがありますが、最近子育て世代の参加者が減ってきています。
この減少を抑えるために、私の参加する町内では60代のお祭りの中心的役員(数名)が、「まつり」の行われる期間だけではなく 年間を通して子育て世代の方々が参加する行事(子ども会活動や地域の運動会など)に積極的に参加あるいはお手伝いをして、日頃より繋がりを作っています。
そしてその繋がりを維持するためSNSを覚え、子ども会のおかあさん方とSNSグループを作ってお祭りの情報を発信したり、子ども会の行事を把握しお祭り役員にお手伝いを呼びかけたりしています。
例えば子ども会の資源物回収のお知らせがあると、お祭りの役員に一斉連絡。資源物回収当日には子ども会の役員さん 保護者の方々、そしてお祭りの役員(まだ独身の若者も多数)が参加します。最近ではコロナの影響もあり会議や打ち合わせは、WEB会議を活用し、子どもが寝た後や 子どもが学校に行っている時間帯などに行い、なるべく多くの方が参加できる方法を考えています。
現在そのSNSグループの参加者は50人以上となり、リアルな会議も集まりやすい時間帯や集まりやすい場所(Caféなども活用)集まりやすい世代ごとに集まるなどの工夫をこらし盛んに行われ、今では、30代から70代までの幅広い世代のつながりが出来、住みやすいまちの為のアイディアをお互いに出し合い共にイベントを行うほどになりました。

まちづくり活動の中心的年齢は50代から70代、しかしこれから10年・20年と「まち」を持続させていく世代は30代・40代。その世代を「まちづくり」の担い手として参加して欲しいと思うのならば、その世代に合わせた工夫が必要となるのです。

まず大事なことは、何故、活動に参加して欲しいのかを参加して欲しいターゲットに明確に訴求するべきです。そしてそのターゲットが参加し交流しやすい環境を作ることです。交流がより親密になれば新しいアイディアも生まれます。

これはまちづくり活動に限った事ではなく、すべてのボランティアやNPOにおいても重要な事なのです。