NPO未来化プロジェクト・10周年シンポジウムでの質疑応答 ➌

 中小企業支援家として日本中を駆けずり回っている小出宗昭氏、三ヶ日の地域活性化をあらゆる角度から仕掛け、実績を積み上げてきた中村健二氏、NPO未来化プロジェクト代表理事の佐藤和枝、三人三様の白熱回答は必見です!

Q3:大人の腹のくくり方を聞いて非常に共感しました。自分は親や祖父母の話しを蹴ってでも地元のために尽くしたいと思い、勉強のために大学に通っています。今の学生や若い人に、求めている考え方や活動はありますか?(20代女性)

 回答(中村健二氏): 「自分は親や祖父母の話しを蹴ってでも」ということは、「否定してでも」と同意語ですか?私は、親の言うことや年寄りの言うことは、まず聞くべきだと言っています。「聞かない」のは、そもそもダメです。120%しっかり聞くことで、「差異」に気づきます。それらの「違い」がどこから来るのかを、その原因と理由を調べ考えます。それを「勉強」と言います。面白いことに、それらの思索は、私が20代のころと、50歳を越える年齢とは明らかに、思索の幅と深さに違いがあります。いわゆるこちらの「知見」というもののせいでしょう。

世界中のたくさんの人たちに会いました。大学は3つも行きました。山ほどの本を読みました。若いころは想像もつかなかった経験もたくさんしました。まず面と向かって聞いて受け入れ、理解することで相手に対してリスペクトが生まれます。あえて言えば、その上で「否定」や「修正」、「妥協」があるべきです。物語のメーテルリンクの「青い鳥」ですね。あなたの中のチルチルとミチルに対峙してみてください。私もあなたと全く同じだった私が居ました。実体験が少ないです、客観的な知識が少ないです、今まで何人の人に会いましたか・・・そうですね、40年以上の前の私のことです。

地元の為に「尽くす」のではなく、地元を愛してあげてください。なんの見返りも求めない無償の愛。愛しているから続けられるという、母親のようない愛かもしれません。あなたがお給料を払うとして、母親業(今回は妻業は抜いて)には、毎月いくらの給料を払い続けますか?ベースアップしますか?ボーナスは?有給休暇は何日ですか?少なくとも週休二日ですよね。GWは連休ですよね?まさか出張や転勤もあり?定年は何歳ですか?母親業なんて、あなたを生む前くらいに腹をくくっていなければ続けられませんよね。お母さんがあなたを生んだのは何歳だったのしょうか? あなたは、地域活性で腹をくくれますか?だって、あなたはお母さんを一番身近で見てきたでしょ?

回答(小出宗昭氏):価値観が多様化し職業意識も多様化している中、自身が何のために働くのか、何のために生きるのかということについて以前にましてとらえづらくなっている気がします。そのような状態だからこそ、常に前向きにチャレンジし行動することが大切ではないかと思います。

回答(佐藤和枝):地元に尽くしたい。素晴らしい考えですね。考え方として「デザイン思考」や「水平思考」などがあります。デザイン思考の本は沢山出ていますが、要はどんな地域にしたいのか明確に絵が描けるくらいに考えます。そこからバックキャストで考えます。そのために地元を何回も歩く(フィールドワーク)必要があります。知らなかった事実が可視化され、地域のリスク・懸念、長所などが見えてきます。それらを踏まえて「再生」から「創造する」には、地域内の多様な価値に気づき知恵を出し、組み合わせることでイノベーションが可能になります。小職は、アイデアの出し方、思考の整理整頓の「思考術講座」を開催しています。