NPO未来化プロジェクト・10周年シンポジウムでの質疑応答 ❺

今回をもって、「シンポジウムでの質疑応答」の投稿は最後になります。小出宗昭氏、中村健二氏が、ご多忙な中、時間を割き、ご回答いただきましたこと、心より感謝いたします。ありがとうございました。

Q1:佐藤さんへの質問。女性のスタートアップが少ないのは何故だと思われますか? そもそもスケール感なのか、腹のくくり方なのか・・・ (50代男性)

回答(佐藤和枝):スタートアップ ベンチャー スモール企業は定義が異なります。スタートアップ企業とは、創業数年で数千億円の価値評価を得る企業のことで、その中でもGAFAなど、ユニコーンといわれるスタートアップ企業は、日本にどれだけあるのでしょう。10社くらいだと言われていて、ほぼIT企業で上場していません。

ご質問のスタートアップは、もしかしたら美容院、レストラン、小売業などすでにビジネスモデルがあるスモール企業で起業する人のことをおっしゃっているのでしょうか?

小出先生は起業家数の男女格差はあまりないと発言をされていました。従業員を持たない個人事業主レベルの女性起業家は、端から見ていて多くなったように伺えます。しかし、統計を見ると起業する女性の数は男性より少ないのは事実です。その理由の1つに、日本は男女格差の壁が根強く残っています。2つ目はサラリーマンの配偶者控除が女性の社会進出を拒む大きな壁になっています。3つ目に男女とも無意識バイアスがあるからだと思います。

Q2:中村さんへの質問。まちおこしとフードランドのお仕事に、時間と精力をどのように割いていますか?(割合で) また、収入の割合は? (50代女性)

 回答(中村健二氏):私も町の連中は、発足当時から「二足の草鞋」でやってくるしか方法がありませんでしたね。フードランドとしての会社の仕事が7割くらいで、まちおこしに関わる仕事が3割くらいでしょうか。

会社の仕事のSDGs系の部分は、地域経営や環境問題ですので、そこの部分はグレーです。一方で収入ですが、観光協会のお仕事もそうですが、無収入でやってきたので、収入に比率は0:10ですね。今後は、この部分でもお金をもらえるようにしたいと考えています。

なぜなら、無報酬でまちづくりをやり続けるのは、初期の段階では可能かもしれませんが、あるレベルを超えると無理なことに気づきました。現在、観光協会の多くのイベントや事業では、企画・設置・運営に関わってくれれば「日当」という形でやっとお金を払える状態になってきています。なぜ、無報酬でやってきたのかは、Q1「生きる中で、ご自身が大切にしている軸は何ですか?」という質問の答えにも書いてあるので、参考にしてみてください。

Q3:小出さんのお話しの中で、ビジネスセンスの話しがありました。具体的にどんな理解をすればいいですか?

 回答(小出宗昭氏):どんなビジネス分野でも、図抜けた成果やこれまでにない新しい商品やサービスを生み出す人には共通する要素として高いビジネスセンスがあると理解しています。ビジネスセンスはそういうものを生み出す力だと思います。

Q4:自分の強みが分からないとき、どうしたらよいですか?

 回答(小出宗昭氏):自身の年表をつくり周囲の人たちなどとディスカッションも一つの手です。