NPO未来化プロジェクト  横山順子

なんともインパクトのある「ブスの25箇条」を読みました。

これは、元宝塚歌劇団男役トップスターで、現在は女優として活躍されている貴城けいさんを取材した記事(『致知』2010年3月号に掲載された一部を、今年5月に抜粋・編集)で、Web公開されていたものです。

彼女が2007年、宝塚歌劇団を退団する1年ほど前のこと、歌劇団の人なら誰もが目にする場所に「ブスの25箇条」と貼り出され、いつ、誰が、何のために貼ったのかは分からぬまま、団員たちがその貼り紙の前で足を止めて読んでいたそうです。

今は貼られていないとのことですが、「ブスの25箇条」とは「こうするとブスになる」という戒めであり、人間としてのあるべき姿を逆説的に示しているのではと考えた貴城さんは、2012年に『宝塚式「ブスの25箇条」に学ぶ「美人」養成講座』というタイトルで、講談社+α文庫より出版し、話題になりました。

「ブスの25箇条」は、ネット上でも公開されていますが、その中でも特に印象に残ったのは

・希望や信念がない

・自分がブスであることを知らない

・問題意識を持っていない

・人生においても仕事においても意欲がない          ・・・の4つです。

彼女が退団する1年前に貼りだされたとあるので、今から16年前ぐらいに書かれたと思われますが、これは「自己肯定感チェック」に使えそうだと気付きました。

「自己肯定感」とは、何ができるか、何を持っているか、人と比べて優れているかどうかではなく、そのままの自分を「大切な存在だ」「かけがえのない存在」だと思える心の状態で、自分の価値は認めるが相手の価値は認められない、どちらかというと自分は尊重するが、相手を尊重できない、自分さえよければいいという思考、行動をとりやすい傾向の人は「自己肯定感」が高いとは言えません。

今の自分に妥協し、傲慢になることではなく、どんな自分であっても、今の自分を受け入れ、恐れや不安や自己否定からではなく、「自分が自分をどう思うか」という自分に向き合う意欲を前向きに持つことで、より良い方向に自分自身を成長させていくことができます。

25箇条で自分を客観視していくと、抱えている課題が明確になり、「ブス」から脱却できるような気がします。